CDレビュー:とにかくオーボエがとてもいい!「2019 WASBE:ルイジアナ州ノースウェスタン州立大学ウィンド・シンフォニー」





 

WBP Plus!に登録した商品でレビューを書いたもののWind Band Pressで紹介していなかった商品がたまっていたので紹介していきます。

今回のレビューはマーク・カスタム (Mark Custom)から発売された2019 WASBEのCDよりジェフリー・C・マシューズ、ダン・マクドナルド指揮、ルイジアナ州ノースウェスタン州立大学ウィンド・シンフォニーのCDです。


2019年にスペインで行われたWASBE(世界吹奏楽大会)の公演の中から、ルイジアナ州ノースウェスタン州立大学ウィンド・シンフォニー(Northwestern State University of Louisiana Wind Symphony)の演奏を収録したCDです。

ルイジアナ州ノースウェスタン州立大学は、いわゆる地方の中規模公立大学といった大学ですが、音楽を含め様々な学部があります。今回のWASBEにアメリカから選ばれたバンドは2つですが、そのうちの1つです。普段は冬と春の演奏会のためにオーディションで選抜された音楽学部のトップ奏者たちで形成されています。

アメリカの大学らしいパリッとした快活な演奏で、難曲の数々を高い技術レベルで聴かせてくれます。

トゥリーナ「5つの小品」は美しく輝かしいサウンドがする編曲で、アメリカ!って感じの音がします。オーボエが特に良いですね。

「トラベラー」は難しいんだろうなあと思いますが、とはいっても明らかに気になるのはユニゾンの音があってなかったところくらいですかね(2回くらいあったと思います)。それ以外は良く仕上がっているかと思います。特に終盤のオーボエはブラボーですね。この曲は副指揮者のダン・マクドナルド氏が指揮しているようです。

そしてこのCDの目玉はこれでしょう、エレビーの「メノルカ島の踊り(Menorcan Dances)」世界初演。メノルカ島はスペインのバレアレス諸島州に属する島で、今回のWASBEはスペインで行われているのでちょうどいい感じですよね。これがまたかっこいい。さすがエレビーです。これも難しそうな印象ですが、大きな事故もなく世界初演を終えた、という意味で評価できる演奏家と思います。そんな難しく考えなくても「あーいいねえ」って楽しんでいただければ。

「ダンスリーズ」は日本でもおなじみですね。バンドによる色の違いを楽しみましょう。それにしてもオーボエ効いてるな。誰なんだ君は。

2017年のWASBEで広島ウインドオーケストラが「ワイルド・グース」を取り上げたライアン・ジョージの「リフ・ラフ」も収録。ライアン・ジョージも優れた作曲家で、「ワイルド・グース」だけじゃないのでこの機会に色々な作品を聴いてほしいなと思います。タイトル的に3分くらいの曲かしら、なんて思ったら9分以上あります。これはもうアメリカン・バンドの真骨頂というか、ジャズからの影響も感じるアーバンなビートがバンドにおもいっきりマッチしています。アメリカのバンドはオシャレでビートを効かせるタイプの作品得意ですよね。お国柄なんでしょうか。色んなスタイルの音楽に触れる機会が多いのかな。日本人が演奏すると盆踊りになりそうなのでこういうアメリカバンドによる音源は貴重。このCDのもうひとつの目玉がこれですね。終演後の聴衆の「フォー!!!!」の気持ちが分かる快演です。

とにかくこのバンドはオーボエがとてもいい(僕は気に入った)ので曲目が気になる方もオーボエが気になる方もぜひご注文ください。

Yahoo!ショッピング店で買う

楽天市場店で買う

レビュー:梅本周平(Wind Band Press)


商品詳細は以下の通り。

■原題:2019 WASBE Bunol, Spain: Northwestern State University of Louisiana Wind Symphony

■指揮者:ジェフリー・C・マシューズ(Jeffrey C. Mathews)、ダン・マクドナルド(Dan McDonald)

■演奏団体/演奏者:ルイジアナ州ノースウェスタン州立大学ウィンド・シンフォニー(Northwestern State University of Louisiana Wind Symphony)

■レーベル:マーク・カスタム (Mark Custom)

■発売年:2019

■収録曲:

5つの小品:ホアキン・トゥリーナ(編曲:クランス)
Five Miniatures:Joaquin Turina (arr. Krance)
1. Dawn [1:45]
2. The Sleeping Village [2:28]
3. Promenade [1:03]
4. The Approaching Soldiers [1:21]
5. Fiesta [1:27]

6. トラベラー:デヴィッド・マスランカ [15:28]
Traveler:David Maslanka

メノルカ島の踊り:マーティン・エレビー【世界初演】
Menorcan Dances:Martin Ellerby
7. Fandango [1:57]
8. Bolero [3:11]
9. Jota [2:32]

ダンスリーズ:ケネス・ヘスケス
Danceries:Kenneth Hesketh
10. Lull me beyond thee [3:12]
11. Catching of Quails [2:00]
12. My Lady’s Rest [5:24]
13. Quodling’s Delight [4:52]

14. リフ・ラフ:ライアン・ジョージ [9:30]
Riff Raff:Ryan George

Yahoo!ショッピング店で買う

楽天市場店で買う




協賛






その他Wind Band Pressと同じくONSAが運営する各事業もチェックお願いします!

■楽譜出版:Golden Hearts Publications(Amazon Payも使えます)


■オンラインセレクトショップ:WBP Plus!






■演奏会の企画やチケット販売その他各種ビジネスのお悩み相談やプレスリリース代行依頼もお受けしています!

様々な経験をもとに、オンラインショップの売上を上げる方法や商品企画、各種広報に関するご相談、新規事業立ち上げのご相談など承ります。初回相談無料です。そのほか、プレスリリース代行などの実務作業も承ります。よろずご相談下さい。



▼人気の記事・連載記事

■プロの指揮者・岡田友弘氏から悩める学生指揮者へ送る「スーパー学指揮への道」
プロの指揮者・岡田友弘氏から悩める学生指揮者へ送る「スーパー学指揮への道」

■作曲家・指揮者:正門研一氏が語るスコアの活用と向き合い方
作曲家・指揮者:正門研一氏が語るスコアの活用と向き合い方

■有吉尚子の【耳を良くする管楽器レッスン法】~ソルフェージュ×アレクサンダー・テクニーク~
有吉尚子の【耳を良くする管楽器レッスン法】~ソルフェージュ×アレクサンダー・テクニーク~

■【エッセイ】ユーフォニアム奏者・今村耀の『音楽とお茶の愉しみ』
今村耀エッセイ

■僧侶兼打楽器奏者 福原泰明の音楽説法
福原泰明の音楽説法

■石原勇太郎の【演奏の引き立て役「曲目解説」の上手な書き方】
曲目解説の上手な書き方

■石原勇太郎エッセイ「Aus einem Winkel der Musikwissenschaft」
石原勇太郎エッセイ

■音楽著作権について学ぼう~特に吹奏楽部/団に関係が深いと思われる点についてJASRACさんに聞いてみました
音楽著作権について学ぼう

■【許諾が必要な場合も】演奏会の動画配信やアップロードに必要な著作権の手続きなどについてJASRACに確認してみました
動画配信